相続プランなしで人が亡くなった時、その人の財産は全て一旦凍結され、プロベート(検認裁判)という手続きを経ないと、相続人が受け取ることはできません。プロベートは、正しい相続人に遺産が分配されるように、また、故人が負っていた負債があれば、遺産から返済されるように裁判所が管理して行う法的手続きですが、時間と費用がかかるのが最大の問題です。 私が知っている身近な事例でも、プロベートになってしまって、遺された遺族が遺産を受け取るまで3年かかったケースや、シングルマザーが亡くなって、遺された子供達が家を出て行かなければならなかったケース、離婚経験のある男性が亡くなり、亡くなった当時に同居していた恋人が良心的な人でなかったために、プロベートが4年以上かかった上に、子供達に本来行くはずの財産分与が正しく配分されなかったケースなど、悲しい事例は後をたちません。 先日、日本の方からご相談を受けました。カリフォルニアに住んでいた親戚の方が突然亡くなったとの連絡を受け、急遽渡米してみると、すでにアパートも遺品も銀行口座も、プロベートのために凍結されていたとのことでした。 忙しい毎日を送っていると、日頃自分の死期について考えることなどないでしょうし、自分の死後、財産が市や州に没収されても構わないとお考えの方もあるかもしれませんが、プロベートになると、日本に住んでいる親戚がアメリカの裁判所に連絡をしたりしなければならなくなったり、ご自分が一生かけて築いた財産が無駄に弁護士への支払いとなり、大切なマイホームは裁判所によって二束三文で売却され、さらには、裁判所の命令でプロベートが終わるまで故人の遺産を管理する人が違法にその遺産を流用することや、プロベートを専門に狙っている詐欺師が寄って来たりすることもあります。 そのようなことになるなら、たとえ少しの遺産であっても、せめて誰かに遺産が行くようにしておきたいとは思いませんか?
遺産を遺すべき家族や親戚がいないのなら、恩師でも、母校でも、慈善団体でもいいではありませんか? 第一、自分の遺産の配分は、裁判所に決めてもらうのではなく、自分で決めておきたいとは思いませんか? プロベートを避けるには、リビングトラストを作っておきましょう。残された遺族は、あなたがリビングトラストを作っておいてくれたことを知って、とても感謝するでしょう。相続人が遺族でも学校でも慈善団体でも、リビングトラストがあったことによって、あなたのレガシーが受け継がれていくでしょう。 |